インプラント周囲炎は歯周病より怖い!?両者の違いについて

こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日は私はこれから研修に行くために医院を休みますが、寺澤先生と清原先生が頑張って診療をしてくれております(^-^)

さて今回の歯の話ですが、インプラント周囲炎が歯周病よりも怖いという話です。
読んでみて下さいね(^-^)
インプラントは他の歯を補う治療法に比べて、快適度の非常に高い治療法ですが、治療が終わった後のメインテナンスに関しては、より細心の注意が必要になります。それはインプラントがあごの骨の中に埋め込まれている都合上、「インプラント周囲炎」という細菌感染を起こすことがあるためです。インプラント周囲炎はインプラントの寿命を短くしてしまう困った病気であり、天然歯でいう歯周病と似ていますが、歯周病よりもいくつかの点でシビアであると言えます。今回はインプラント周囲炎について、歯周病よりも怖い理由、そしてインプラント周囲炎にかからないようにするためにはどうすれば良いか、ということなどについて解説していきます。

インプラント周囲炎とは

インプラント周囲炎はインプラントが埋まっている骨や歯茎などの組織が炎症を起こして、だんだんと破壊されてしまう病気です。破壊が進むと、インプラントを支えきれなくなり、抜け落ちてしまいます。

■インプラント周囲炎と歯周病は似ているようで違う

インプラント周囲炎と歯周病はどちらも歯周病細菌の感染が原因で起こります。インプラントや天然歯周囲の清掃がよくできていないと、やがて歯垢が溜まり、その中にいる歯周病細菌が悪さをし始めるのです。ここまでは同じなのですが、インプラントと天然の歯では、骨への埋まり方や、歯茎との接合の仕方が違っています。そのような違いから、感染の起こりやすさ、病状の進行の仕方、症状の出方が違ってくるのですが、インプラント周囲炎の方があらゆる点において歯周病よりも深刻になりやすいため、注意が必要です。

■近年インプラント周囲炎にかかっている人が増えている!

インプラントの成功率は97%というデータがあります。この数値だけ見ると、インプラントを埋めてしまいさえすれば、ほとんどの場合問題なく過ごせるのだろうし、自分もきっと大丈夫、と思ってしまいます。しかし、この数値というのは、実は単にインプラントを入れた後「抜けずにあごの骨に残っている」場合のことを言っています。つまり、インプラント周囲炎にかかっていても、それは「成功した」と数えられているのです。

実際のところ、インプラントを受けた人の28%から56%くらいはインプラント周囲炎にかかっているとされ、その患者は増え続けていると言われています。本当の意味で、インプラント周囲炎にかかっていなくて、健康な状態を保っている「成功率」の場合、その比率は大幅に下がってしまうのです。これは施術した歯科医師の技量や対応によっても左右されます。いしはた歯科クリニックでは術中の対応はもちろん、アフターケアも誠心誠意行なっておりますので、患者さんは皆様良い状態を保っていらっしゃいます。

インプラント周囲炎が歯周病より怖い理由

■感染が深部に進みやすい

インプラントと歯茎の結合様式は、天然歯のそれよりも弱く、細菌感染が深部に行きやすいという弱点があります。
歯垢が溜まると歯茎が炎症を起こしますが、インプラントの場合は、歯茎との付着が弱いので、深部に炎症・感染が進みやすいのです。

■自覚症状がより少ない

インプラント周囲炎は、天然歯の歯周病に比べ、歯茎の出血や腫れというような初期症状としてわかりやすい症状が出ません。歯周病も初期症状をよく見逃されがちなのですが、インプラント周囲炎はそれに輪をかけて分かりにくいのです。そして、歯周病と違い、病状が進行しても、ぐらつきや痛みが出にくく、食事をするときにも不自由を感じにくいため、かなり進行しても気づかれないケースが多く見られます。

■進行が急速に進む

インプラントはインプラントと骨の間に天然歯にあるような歯根膜が存在せず、両者が直接結合しているため、噛む力のダメージが骨に加わりやすく、異常な力がかかると、骨が急速に吸収してしまいます。また、歯根膜がないことで、血液供給が少ないため、免疫機構が働きにくく、感染が一気に進行してしまいやすい弱点があります。

インプラント周囲炎を予防するためには、インプラント治療を始める前からの対策が大事です。

■インプラント手術前の対策

●口の中を清潔に保つようにし、歯周病治療もしっかりと行っておく
●タバコを吸う人は禁煙しておく
●糖尿病にかからない、または糖尿病の人はコントロールをしっかりと行っておく

■インプラント手術直後の対策

●口の中を清潔に保つ
●出された薬や術後の注意事項の指示をしっかりと守る
●タバコは一切吸わない

■インプラントが落ち着いてからの対策

1.インプラント周囲の清潔を保つ
インプラント周囲に歯垢が溜まらないよう、念入りにブラッシングをして清潔を保っておくことが必要不可欠です。

2.食事の仕方に気をつける
甘いものを多く摂る、やわらかいものばかり食べる、間食が多い、寝る前に食べる、というような食習慣は歯垢を溜まりやすくします。バランスの良い食事を心がけ、間食はなるべく控えましょう。

3.タバコ・飲酒に気をつける
インプラント周囲炎になりたくなければ、タバコは吸わないようにしましょう。また、飲酒も程度によっては、歯にとって良くありません。大量飲酒を日常的にしないよう、気を付けましょう。

4.歯ぎしりなどに気をつける
歯ぎしり・食いしばりのような過剰な力がインプラントにかかると、骨がみるみるなくなってしまう原因になります。歯ぎしりがある場合にはマウスピースを作ってもらうなどの対策をとりましょう。

5.糖尿病にかからないようにする
糖尿病にかかると感染症にかかりやすくなるため、体調管理にも気を付けましょう。

6.歯科での定期ケアを欠かさない
定期的にインプラント部の検診・ケアを受けることも忘れてはなりません。異常があっても早期であれば大事に至らずに済みますので、特に何も異変を感じなくても、指定された間隔で検診を受けるようにしましょう。

親知らずの抜歯のこと、インプラントを検討されている方、顎の違和感やかみ合わせ、入れ歯でお悩みの方、
歯や顎、お口の違和感や心配事がお悩みのある方はご相談のみでも構いません。
また6か月以上歯科健診を受けていない方がいらっしゃいましたら
定期健診で現状のお口の中の状況を把握するべきです。
その時は是非お気軽にいしはた歯科クリニックまでお越し下さい。

久喜市 歯医者 いしはた歯科クリニック 電話 0480-24-6480 Dr かずき
2018年7月21日 

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