歯の亀裂、ひび、歯根破折の原因は?

こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日の久喜は気持ちの良い晴天です。湿度が低いと消耗度合いも低くなりますね(^-^)
今朝の爽やかな気温がどの方にとっても一番過ごしやすいのではないでしょうか?

さて今回の歯の話ですが、歯にひび(亀裂)が入ったり、割れてしまう歯根破折について書きます。
歯が割れる、歯根破折が起きると、

神経がある歯が割れると、初期症状として歯がしみたり、噛むと痛かったり、症状がすすむと何もしなくてもズキズキ痛んだり(いわゆる、虫歯などの神経炎症状態の痛み)します。神経がない歯であれば、破折部から細菌が入り込み、歯肉が腫れたり、膿がでたりします。
歯が割れる事はある日突然起きる事が多く、確立した治療法もなく、非常に厄介な症状です。

歯を失う原因の割合は歯周病が42%、むし歯32%、その他13%、歯根破折11%、矯正1%という報告があります。
つまり、歯周病、虫歯、のリスクがない方、歯は健康でなんでも噛める方にとっては歯根破折が一番のリスクとなります。

歯が割れる、歯根破折の原因は、

歯根の強度低下:神経をとって長期に経過している脆弱な歯、残存歯質が少ない歯
過度な力:歯ぎしり、くいしばり、ブリッジや入れ歯の支えとなっている、転倒なので外傷、硬いものを噛む
不良な修復物:応力を集中させるような形態のコア(土台)や詰め物、硬すぎる金属の使用。
緊密なかみ合わせ:奥歯のかみ合わせが良く、上下で緊密にかみ合っている。
歯根と骨の癒着(ゆちゃく):歯の神経をとって長らく経過している歯に起こりやすい症状です。
片側での噛み癖:普段食事をする時に我々はどの部位で物を噛むか絶対に意識しておりません。呼吸、歩行、嚥下などと同様に咀嚼も無意識行動
リズム運動と呼ばれ勝手に行います。片側でのみ噛んでいると顎関節症になるケースもありますし、今回のように歯根破折や亀裂を生じるリスクも高まります。

歯が割れる、歯根破折の治療は、

治療は、まず破折がどこで起きているのかを確認します。クラウンなどが被さっていればそれをはずして、歯根破折の状況を確認します。
大きく歯肉が腫れていれば歯肉に麻酔を行って歯肉を切り開き、膿をだし、その場で破折状況を確認します。
神経がない歯に破折が起こると、感染根管と似た症状がでるのでその際は見極めが大切です。

歯根破折は理論的に感染源を除去して、再感染しないように歯科材料で破折部を接着などで密閉できれば治ります。
当院ではこれを積極的に行い、良い結果を得ております(^-^)
しかしながら現在の歯科医療で歯根破折に対して、完全に感染源を除去をし、完全に破折部を接着して閉鎖し、破折を治療する確立した方法はありません。
残念ながら予後不良の場合、破折した歯を抜歯をして、欠損治療を行う事になります。

そんな中、歯根破折した歯を保存できないかという試みは昔からあります。歯根破折した部分を接着していく方法です。
今までは、割れた歯に対して接着していく方法は予知性がない(何年もつかわからない)治療であり、これをすればすべての歯が治せるという確立した治療法ではありませんでした。しかし、歯根破折した部分を接着する事で、何年も使えている歯もあるのも事実です。今では条件がそろえば長期保存も可能と考えます。それ以外の選択枝が抜歯しかない事を考えると接着保存治療がうまくいくのであれば価値の高い治療法です。

また、歯根破折を引き起こさないようなマネージメントも大切です。普段からできる事は、日中のくいしばりがあればやめる。硬い物を噛むことは控える。ガムを良く噛む方はそれも控える。歯は毎日使うものなので、過度な力がかかれば必ずいつかは壊れます。過度な力がかからないように注意が必要です。治療としてできる事は、、脆弱な歯には(ブリッジする、部分入れ歯をかけるなど)過大な力をかけない。夜間に歯軋り、くいしばりなどのある方はマウスピースなどを装着し一本の歯に応力がかからないようにする。

当院における、歯が割れる、歯根破折への治療
歯根破折歯の保存を試みてきました。以前は破折した歯は抜歯せざる得なかったですが、CT、超音波切削器具、や接着技術などの先端医療機器・技術発達から歯科治療が変化してきた事で、現在は歯根破折した歯でも状態によっては感染源の除去と接着処置ができ、保存できる歯もあると考えています。

多くの「歯が割れる、歯根破折」した歯を治療してきて、接着保存できなかった症例、接着保存治療したが数年しか持たなかった症例、長期保存できている症例を経験してきました。それらの経験から長期保存での共通項を分析し、保存の確立が高い症例、保存の可能性が低い症例、もしくは保存できたとしても長い予後が望めない症例を治療前にある程度見極める事ができるようになりました。 今では、接着保存治療が成功する可能性が高い症例においては保存を勧めております。成功する可能性が低い症例や見極めが難しい症例におては患者様と相談して治療を勧めています。

今まで神経があった歯が割れた症例や、審美性に関わる前歯部の歯根破折症例、は是非ご相談下さい。

保存の可能性は、破折の位置、長さ、大きさ、残存歯質の状態、感染の有無、対合する歯の状態、隣在する歯の状態、かみ合わせ、など様々な要因が関係するので、治療の相談はメールなどの間接的なものでなく、初診で来院されて、直接状態を診て(必要に応じてCT撮影)から治療相談する事をお勧めします。

残念ながら保存が難しく欠損治療を考える際は、どういった治療法がいいのかのご相談をさせて頂いております。
治療法は多種多様(ブリッジ、入れ歯、インプラント、歯牙移植、歯科矯正、接着ブリッジ、など)に対応しています。
どの治療法がベストかは個人により異なります。一人で悩まずに歯科治療のプロにご相談ください。

親知らずの抜歯のこと、インプラントを検討されている方、顎の違和感やかみ合わせ、入れ歯でお悩みの方、
歯や顎、お口の違和感や心配事がお悩みのある方はご相談のみでも構いません。
また6か月以上歯科健診を受けていない方がいらっしゃいましたら
定期健診で現状のお口の中の状況を把握するべきです。
その時は是非お気軽にいしはた歯科クリニックまでお越し下さい。

久喜市 歯科 いしはた歯科クリニック 電話 0480-24-6480 Dr かずき
2018年8月18日

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