指しゃぶりによって歯に起きる問題について

こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日は私は休みでしたが医院は元気に診療中でした。あまり咳の風邪が長引くので近所の内科を受診し、
薬をもらってきました。早く声が普通の状態になりたいものです!

さて今回は先日子供のお母さんからうちの子は指しゃぶりがひどいんです。
指しゃぶりをしていると歯並びが悪くなりと聞くのですが大丈夫ですか?
と質問を受けたのでこれについて書きます。

はじめに指しゃぶりに対する専門領域の意見が異なるため、
指しゃぶりを気にしている保護者に不必要な不安を与え、乳幼児健診や育児相談の場において混乱が生じています。
そこで小児の指しゃぶりは何歳頃まで見守ってよいのか、何歳頃にどのような状態であったら、
どのような積極的支援を行ったらよいのかなどの現時点における統一的見解をまとめました。

1.子どもの発達と指しゃぶり

1)胎児期:
胎生14週頃より口に手を持っていき、24週頃には指を吸う動きが出てくる。
そして32週頃より指を吸いながら羊水を飲み込む動きも出てくる。
胎生期の指しゃぶりは生まれて直ぐに母乳を飲むための練習として重要な役割を果たしていると考えられている。

2)乳児期:
生後2~4か月では口のそばにきた指や物を捉えて無意識に吸う。5か月頃になると、なんでも口に持っていってしゃぶる。
これらは目と手の協調運動の学習とともに、いろいろの物をしゃぶって形や味、性状を学習するためと考えられている。
つかまり立ち、伝い歩き、ひとり立ちや歩き始める頃は指しゃぶりをしているとこれらの動作が出来ないので減少する傾向にある。

3)幼児期前半(1~2歳):
積み木を積んだり、おもちゃの自動車を押したり、お人形を抱っこしたりする遊びがみられるようになると

昼間の指しゃぶりは減少し、退屈なときや、眠いときにのみ見られるようになる。

4)幼児期後半(3歳~就学前まで):
母子分離ができ、子どもが家庭から外へ出て、友達と遊ぶようになると指しゃぶりは自然と減少する。
5歳を過ぎると指しゃぶりは殆どしなくなる。

5)学童期:
6歳になってもまれに昼夜、頻繁に指しゃぶりをしている子が存在する。特別な対応をしない限り消失することは少ない。.

2.指しゃぶりの頻度

平成14年の東京都K区での井上らの調査によると、
1歳2か月児(393名)、1歳6か月児(557名)、2歳0か月児(472名)、3歳0か月児(695名)における指しゃぶりの頻度は
28.5%、28.9%、21.6%、20.9%と2歳以降やや減少するものの20%台であった。
また浅見らによると、平成8年に山形県T市周辺で3歳児健診を受けに来た7,900名についての調査では
指しゃぶりの頻度は居住地により差はあるものの12.9~19.4%であった。
米津らによると指しゃぶりの頻度は4歳以降になると減少していた。

3.指しゃぶりの弊害―噛み合わせ(咬合)や構音に及ぼす影響

しゃぶる指の種類やしゃぶり方にもよるが、指しゃぶりを続けるほど歯並びや噛み合わせに影響が出てくる。
指しゃぶりによる咬合の異常として次のものが挙げられる。
(1)上顎前突:上の前歯が前方にでる。
(2)開咬:上下の前歯の間に隙間があく。
(3)片側性交叉咬合:上下の奥歯が横にずれて中心があわない。
このような咬合の異常により舌癖、口呼吸、構音障害が起りやすい。
指しゃぶりにより上下の歯の間に隙間があいてくると、その隙間に舌を押し込んだり
飲み込むときに舌で歯を強く押し出すような癖が出やすくなる。このような癖を「舌癖」という。
舌癖のある児は話をするときに前歯の隙間に舌が入るため、サ行、タ行、ナ行、ラ行などが舌足らずな発音となることがある。
前歯が突出してくると、口唇を閉じ難くなり、いつも口を開けている癖がつき、鼻や咽の病気がないのに口呼吸しやすくなる。
上記に指しゃぶりによる弊害についてまとめました。是非読んで参考にして下さいね(^-^)

親知らずの抜歯のこと、インプラントを検討されている方、顎の違和感やかみ合わせ、入れ歯でお悩みの方、
歯や顎、お口の違和感や心配事がお悩みのある方はご相談のみでも構いません。
また6か月以上歯科健診を受けていない方がいらっしゃいましたら
定期健診で現状のお口の中の状況を把握するべきです。
その時は是非お気軽にいしはた歯科クリニックまでお越し下さい。

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