緊張型頭痛について知っておくべきこと

こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日の久喜は晴天で暖かでした(^-^)

さて今回は緊張型頭痛について書いてみたいと思います。
以前TCHという概念について以前説明しましたが、私はTCHが原因で医者の世界でいう緊張型頭痛が起きると考えております。TCHとは歯と歯が食事中以外(起きている時、寝ている時)の時間に接触していることを言います。
歯ぎしりや喰いしばりといった行動をブラキシズムと総称しますが、これらは寝ている時だけでなく、
起きている時にも発生します。起きている時のブラキシズムを覚醒時ブラキシズムと呼びます、
そしてこの覚醒時ブラキシズムにはいわゆる喰いしばり(kg単位の強い力)これをクレンチングと単に歯が接触するだけ
(g単位の弱い力)これをコンタクティングと呼び、この歯と歯のコンタクトし続けることを繰り返す行動パターンを
Tooth contacting habit略してTCHと呼びます。詳しくは割愛しますが、患者さんは皆様クレンチングのような強い力のほうが歯と歯が接触するだけのコンタクティングよりも体にとって害をなすと考えますが、2010年の研究でクレンチングは2分弱でギブアップしてしまい長続き出来ず、コンタクティングは2時間半続けられたという研究結果があります。
また弱い力の方が組織に循環障害が起き、虚血状態になることでその後の疲労が有意に回復しないと研究結果があります。
つまり短時間の強い力よりも、長時間持続するごく弱い力の累積力の方が我々の身体には害になると言うことがつい最近示されたわけです。
顎関節症の患者さんだけでなく、当院に来院される顎関節症ではない患者さんに歯と歯が食事中以外も当たっていますかとい尋ねると半数以上の方が歯が当たっていると答えます。そして本来歯が接触している時間は1日で20分弱が正しい状態ですという話を説明するとみなさん非常に驚きます。あるところで講演会をした時に20名程度の方に質問したのですが、そこでは1日2時間は歯が当たっているという答えをした方がほぼ全員でした。顎関節症の患者さんによっては15時間くらい当たっているんじゃないかとか常に当たっていることが正しいと答える方もいらっしゃいます。
これは我々歯科医が患者さんにこういった知識を啓蒙していないことが原因ですし、このことすら知らない歯医者がいるのですが本当に恥ずかしい話だと思います。
さてここまでTCHについて簡単に書きましたが、いよいよ本題の緊張型頭痛についてです。
仕事中デスクワークでPCをするためにずっと下を向いたり、スマホをいじったり、緊張や集中したりする時に我々は必ず下を向きます。すると上下の歯が接触しやすい状態になり、TCHが起きやすくなります。TCHは一度発生すると悪循環に入ってしまい、無意識行動ですので患者さんは自分では絶対に状態を改善させることが出来ません。これが怖い点です!!
TCHが起きると咬筋や側頭筋、後頭筋などが先ほど述べたように弱い力で収縮し続けます。すると朝は調子が良いのですが
夕方になると循環障害で虚血に陥った筋肉に疲労が蓄積し、こめかみの痛みや頭痛、肩凝りが生じるのだと思います。
頬の内側に筋の入っている患者さんにふと頭痛や肩こりはありませんかと伺うとほぼ全員が頭痛や肩こりで悩んでいますと皆様おっしゃいます。みなTCHにより自分自身で筋肉を酷使し、痛みを感じているわけです( ゚Д゚)
私が患者さんに理解して頂くためにいつも話すのが、長時間正座していてふいに立ち上がった時に痺れているのを経験されたことは皆様あるかと思います。これと同じことが頭部の筋肉で起きると頭痛が起きるのはここまで読んだ方なら誰でも理解できるはずです(^-^)緊張したりストレスがかかると交感神経が優位になり、TCHが起きやすいことは既に分かっております。
先日yahooのコラムで緊張型頭痛について医者がコラムを書いており、読んだのですが結局投薬で対症療法しているだけでした。医者もおそらくTCHという概念はご存じないでしょうから今回このブログを書かせていただきました。
まずは薬なんて飲む前に自分の歯と歯が当たっているのかを確認しましょう!歯が当たっているのかを確認するのは普段行わない行動なので慣れないうちは私は10分か20分おきに歯と歯が接触しているのかを確認してみて下さいと伝えております。TCHを改善するために認知行動療法を行うのですが、ようはふと気が付いた俊寛に歯と歯が当たっているのかを確認し、当たっていたらすぐに歯を離しましょうというものです。注意点は歯が当たっていること自体を悪だととらえて欲しくはありません。歯と歯が当たり続けることが良くないと理解して下さい!!そしてもし歯が当たっていたらすぐに深呼吸をして息を吐きましょう。そうすれば勝手に歯は離れます。こうすることでここで疲労の蓄積がリセット出来るのです(^-^)!!
最終的にはふと気が付いた時に歯が当たっていたら、深呼吸をして息を吐き、その結果歯が離れるというここまでの流れを反射行動として身につけることを目指しましょう(^-^)大体1~2カ月はかかるようです!!そんなに自分の癖は簡単には治りませんね( ゚Д゚)そこで当院ではオリジナルのオーダーメイドスプリントを製作し、奥歯が接触しないマウスピースを作っております。次回これについて書きますね!!

 

久喜市の歯科・歯医者
いしはた歯科クリニック

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