歯周病は糖尿病の6番目の合併症

こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日は私は休みでしたが医院は元気に診療中です。
さて今回の歯の話ですが、歯周病と糖尿病の関連性について書かせていただきます。
この2つの疾患は非常に深い関係がありますので是非良く頭に入れておいたほうが良いと思います!!

歯周病と糖尿病
強く疑われる人=約890万人、可能性を否定できない人=約1320万人、合わせると2,210万人いると推定されます。
(平成19年国民健康・栄養調査より)

歯周病は糖尿病の合併症の一つ
歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。
実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。

さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。
つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。

歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。

糖尿病の“第6の合併症”―「歯周病」

しかも、5年ごとに行われる厚生労働省の調査では、前回調査に比べ、なんと約60万人増と急激に増加しています。患者さんのなかにも、糖尿病を抱えている人は多いでしょう。
糖尿病の怖さは、言うまでもなく合併症にあります。
神経障害、網膜症、腎症が代表的ですが、足病変、動脈硬化疾患もよくみられる合併症です。
そして今、これらに続く“第6の合併症”といわれているのが「歯周病」なのです。

糖尿病と歯周病が互いに影響して悪循環に
これまでも、糖尿病の患者さんに歯周病の発症数が多いことは経験的に知られていましたが、
最近では「糖尿病」と「歯周病」が密接な相互関係にあることが、各種研究で明らかになってきました。

実際に、糖尿病患者さんは非糖尿病患者さんに比べ、中等度あるいは高度の歯周病になる割合が2倍程度高いとの報告が多く出されています。
また、血糖コントロールの悪い糖尿病患者さんは、コントロールのよい患者さんに比べ歯周病の進行が早いとの研究結果もあります。
血糖コントロールが不十分になり血糖値が上がると、好中球の機能低下や結合組織コラーゲンの代謝異常、血管壁の変化や脆弱化(細小血管障害)、創傷治癒の遅延などが起こります。
実はこれらが歯周病の発症、進行に影響を与えると考えられています。

一方、歯周病になると、歯周病菌により炎症性サイトカインの1つで、インスリンの働きを低下させるTNF-αの産生が促進されます。
さらに、歯周病で歯を失ってしまうと食べ物をよく噛むことができなくなり、軟らかいものばかりを食べがちです。それが食生活の偏りを招き、糖尿病の要因となります。
このように糖尿病があると歯周病になりやすいうえに悪化しやすく、また歯周病が悪化すると糖尿病をさらに悪化させるという負のスパイラルに陥ります。

期待される「糖尿病と歯周病の同時治療」
この負のスパイラルを断ち切るには、糖尿病と歯周病をともに治療することが不可欠です。
歯周病をもつ糖尿病患者さんが歯周病の治療を受けたところ、血糖値が下がったという報告がいくつも出されています。歯周病の治療により、TNF-αの産生量が減り、血糖コントロールが好転するためと考えられています。
反対に、糖尿病の治療が歯周病にもよい影響を与えるという報告もあります。たとえば、歯周病の症状の1つに歯肉の出血がありますが、糖尿病の治療前には多くの部位で出血していたのが、治療半年後には出血部位が減ったと報告されています。歯周病を合併した糖尿病の患者さんに、抗菌薬を用いた歯周病治療を行ったところ、血液中のTNF-α濃度が低下するだけではなく、血糖値のコントロール状態を示すHbA1c値も改善するという結果が得られています。

糖尿病患者さんに歯科受診を勧めましょう
歯周病は早期には自覚症状が現れにくく、気づかないうちに進行しやすいことから、“静かなる病”と言われます。
「歯は昔から丈夫で、今も歯周病なんか1本もないよ」
と言う糖尿病患者さんがいても、自分が気づかないうちに歯周病になっている可能性があるのです。歯肉の色の変化、腫れや出血といった症状のある糖尿病患者さんはもちろんのこと、自覚症状のない患者さんにも、ぜひ歯科の受診を勧めましょう。

歯周病の予防で欠かせないのが丁寧な歯磨きです。一生懸命磨いているつもりでも、歯周病発症のきっかけとなるプラーク(歯垢)は少しずつたまってきます。
少なくとも半年に1回歯科でチェックを受け、必要に応じてプラークを取り除いてもらうことがよいとされています。
糖尿病の患者さんには、歯科の定期健診の大切さも伝えるようにしたいものです。

親知らずの抜歯のこと、インプラントを検討されている方、顎の違和感やかみ合わせ、入れ歯でお悩みの方、
歯や顎、お口の違和感や心配事がお悩みのある方はご相談のみでも構いません。
また6か月以上歯科健診を受けていない方がいらっしゃいましたら
定期健診で現状のお口の中の状況を把握するべきです。
その時は是非お気軽にいしはた歯科クリニックまでお越し下さい。

久喜市 歯医者 いしはた歯科クリニック 電話 0480-24-6480 Dr かずき
2018年11月1日

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