歯・口の不健康があなたの寿命を縮める理由

こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日の久喜は雨が強く降っております。
明日は台風13号が関東にやってくるようです。注意ですね!

今回はネットに載っていた興味深い内容をとりあげました。読んでみて下さいね(^-^)

80歳以上になっても歯を残せる人が増加

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80歳以上になっても、自分の歯を残す8020運動が展開され、近年達成率が上がっています。
1989 年に厚生省(当時)と日本医師会によって提唱された「80 歳になっても20 歯以上を保つ」ための8020 運動が開始し、
歯の保存状態は改善され成果があがっています。
1999年の達成率は約15%、2007年は25%でしたが、2011 年の調査では38%に達しました(e-ヘルスネット)。
2015年6月に、日本歯科医師会のサイトで『健康長寿社会に寄与する歯科医療・口腔保健のエビデンス集2015』が掲載されました。同エビデンスでは、縦断調査(コホート研究)を中心に歯や口腔ケアと健康寿命に関連する様々な文献レビューを行い現時点の知見をまとめエビデンスの蓄積や具体的な対策などを体系化し示されています。

歯の数や噛むことと、寿命の関係

今回ご紹介したいのは、歯の数や咀嚼機能と寿命との関係です。
例えば、80歳の後期高齢者地域住民の咀嚼機能や現在歯数の保持が長寿につながるかどうかを、
92歳までの12年間にわたりコホート研究で検討したところ、主に次のようなことが明らかになりました。

咀嚼食品数からみた咀嚼機能が良好なほど長寿と考えられる。
しかし、この関係には一部 ADL(日常生活動作)とBMIが影響している。
現在歯数が多いほど長寿の傾向にあるがその関係はそれほど強固ではない。この関係には ADL と喫煙が一部関係している。
80 歳住民という後期高齢者でも、現在歯数を保ち咀嚼機能を維持することが長寿に直接繋がる可能性が高い。
歯や口が不健康だとなぜ寿命に影響する?

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歯を多く失っている人は、野菜や果物の不足傾向がみられました。
これらの要因としては、歯周病の原因となる細菌で起こる口腔内の慢性感染症などの蓄積による結果なのか、
あるいは歯を失うことで咀嚼・摂食機能が低下し低栄養による結果なのか、という二通りが考えられます。
近年ではよく知られていますが、歯周病は、細菌性心内膜炎などの心疾患、動脈硬化などの循環系疾患、肺炎などの
呼吸器系疾患、骨粗しょう症、腎炎、関節炎の発症等の全身疾患とも密接に関連しているとみられています。
また今回のエビデンス集で、後者の歯を失うと摂取不足になるのは、主に野菜であることも示されました。
歯の喪失は咀嚼能力の低下に繋がります。咀嚼能力が低いと容易に摂取できる食品の種類が限定されることが報告されています。特に野菜・果物類には、噛みにくいと考えられている食品が多く、
多数歯を失った人たちは、これらの食品摂取を避けることによって摂取量の減少に繋がったと考えられます。

野菜や果物摂取不足によるデメリットとは

野菜・果物類は、ビタミン類やカリウムなどのミネラル、食物繊維の供給源であり、
しかもエネルギーや脂肪が少なく、抗酸化成分などの健康維持や疾病予防に役立つ成分を含んでいます。

食事バランスガイドにおいて、「野菜」は毎食食べるべき食品で、成人の1 日の摂取量の目安として成人1 日あたり350g以上、そのうち緑黄色野菜120g 以上(健康日本21)としています。「果実」は1 日1 回摂取することが望ましい食品とされ、1日200g の摂取が望ましいとされています(食事バランスガイド)。

「平成25年国民健康栄養調査 概要」を見ると、日本人の平均の摂取量は野菜が271.3g、そのうち緑黄色野菜は83.6g、
果物は111.9gです。年齢別に見ると、男女ともに20代よりも50代以降、さらに60代の方が摂取量は多くなるのですが、
70代以上では少なくなります。80代以上の数値はありませんが、
やはり高齢者になるほど摂取量が減ることで平均値が下がると考えてよいのではないかと思います。

先のエビデンス集では、多数の歯を失っている人は野菜・果物類の摂取量が減少するため、血清中ビタミンC、E、カロテン類の低下が認められていました。
これらは抗酸化ビタミンと呼ばれ、健康維持のためにも重要性が認められており、
適量摂取は心血管疾患を始めとした多くの生活習慣病の予防に役立つとされています。
歯を失った人はやせや肥満、低栄養の傾向

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早口腔のケアは、若い頃のメンテナンスが重要です。
さらに、歯を失った人は、痩せあるいは肥満が多いことも指摘されています。
これには、「肥満や糖尿病により歯周病を介した歯の喪失も考えられるが、
歯の喪失による咀嚼能力の低下から菓子類など栄養価が低く高カロリーの食品の摂取が増えることによる肥満、あるいは総摂取エネルギーの減少による痩せという関連も十分に考えられる」とされています。

また特に高齢者においては歯の喪失と低栄養の関連を指摘する報告が多くみられました。
高齢期は味覚や嗅覚の低下、薬の使用、愁訴、社会的孤立などにより、低栄養へのリスクが高まるといわれています。
その他の文献では、歯並びや噛み合わせと咀嚼機能をできるだけ正常に維持することが、
寝たきり老人の発生を抑え、認知症等の進行抑制や改善をもたらすことも明らかにされています。
歯が多く残っている人ほど医療費が少ない傾向もありました。
栄養面だけでなく、報告数は少ないですが、コミュニケーションや休養と関連するストレスや睡眠状況も
口腔状態と関連性があり、今後の研究が必要とされています。

歯を失っても義歯を活用することの意義
一方で、多数歯を失っていても義歯を適合に保っていれば、野菜・果物といった食品群、
あるいはビタミン類等の栄養素摂取量の減少は認められない傾向がありました。
また歯がほとんどないのに義歯を使用していない人は20本以上歯が残っている人の1.9倍認知症発症のリスクが高いこと、
さらに歯がほとんどなくても義歯を入れることで、認知症の発症リスクを4割抑制できる可能性も示されていました。

高齢者を見ていると、抜けた歯があってもそのままにしていることがありますが、
こうしてみると歯の重要性がわかると思います。高齢になっても歯をできるだけ維持する、
また、もし失っても義歯の適合を維持することなど、歯や口腔のメンテナンスをしておくことが、
健康長寿に役立つといえるでしょう。それは、高齢になってから始めるのではなく、
若い時から心がけておくべきことだと思います。

親知らずの抜歯のこと、インプラントを検討されている方、顎の違和感やかみ合わせ、入れ歯でお悩みの方、
歯や顎、お口の違和感や心配事がお悩みのある方はご相談のみでも構いません。
また6か月以上歯科健診を受けていない方がいらっしゃいましたら
定期健診で現状のお口の中の状況を把握するべきです。
その時は是非お気軽にいしはた歯科クリニックまでお越し下さい。

久喜市 歯科 いしはた歯科クリニック 電話 0480-24-6480 Dr かずき

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