口呼吸と舌の位置について

こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日の久喜は曇って午後から雨が降るようです。ストールをまいて出勤したら少し暑かったですが、帰りはちょうどよくなりそうですね(^-^)
さて今回の歯の話ですが、よく舌のあるべき位置がわからない方が多いのでまとめてみました。
最近、口で息をする人が増えてきています。
ふと気づくと口をポカンと開けている人、風邪をひきやすい人、姿勢が悪い人、イビキをかく人…こんな人は、口で息をしているのかもしれません。
口で息をすることを「口呼吸」といいます。読み方は「こうこきゅう」です。「くちこきゅう」と呼ぶ人もいますが、いしはた歯科クリニックでは「こうこきゅう」で統一しています。
「口呼吸」に対して、鼻で息をすることを「鼻呼吸」(びこきゅう)といいます。

1.なぜ口呼吸になるの?
「口呼吸」になる原因は、以下のようなことが考えられます。

◆鼻呼吸ができない
花粉症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などの鼻の病気により鼻がつまり「鼻呼吸」がしづらいために「口呼吸」になってしまう。

◆肥満
肥満により脂肪が増えると、顎のまわりや、首、喉の中、舌にまで脂肪が付いて太くなっていきます。そのため気道が圧迫されて狭くなるので「口呼吸」になりやすいのです。
また、肥満によってイビキをかきやすくなることがありますが、イビキをかいているときは「口呼吸」になっています。

◆歯並びに問題がある
歯並びがよくないために口が閉じない人は、口のまわりの筋肉が弱くなり「口呼吸」になりやすくなります。

◆口呼吸が癖になっている
「鼻呼吸」よりも「口呼吸」がラクだからという理由で「口呼吸」をしている人もいます。

2.口呼吸によって起こること
口呼吸は、以下のようなさまざまな問題を引き起こします。
★からだ全体の不調の原因になります
「鼻呼吸」は「鼻」が空気とともに身体に異物が入り込むのを未然に防ぐ、フィルターの役目を果たしてくれます。いわば、空気清浄器のようなものです。
それに対して「口呼吸」は「口」で空気を吸い込むときに、外気に混じっているダニ、カビ、ハウスダスト、細菌、ウィルスなどがそのまま肺の中に入ってしまい、免疫に対する抵抗力が弱まり、病気の原因になったり、さまざまな感染症を引き起こしたりします。
「口呼吸」は「鼻呼吸」に比べて、呼吸が浅くなります。酸素交換率が20~30%も減少するのです。
これにより、脳への酸素が不足して、片頭痛、肩こり、自律神経失調、睡眠不足などの原因になることもあります。
また、脳への酸素不足は、身体の成長にも大きく影響を及ぼすと言われています。
★虫歯や歯周病の原因になります
どんな人でも、お口の中では細菌が活動しています。唾液による自浄作用のおかげで細菌の活動が抑えられているため、お口の中が健康な状態に保たれているのです。
しかし「口呼吸」をしているとお口の中の唾液がすぐに乾いてしまうので、細菌の活動が活発になり、虫歯や歯周病を引き起こしたり、すでにある虫歯や歯周病を悪化させてしまいます。
朝起きたときに喉がカラカラになっていたり、歯磨きをしているのに口臭がするような人は、寝ている間に「口呼吸」をしているのかもしれません。
★歯並びが悪くなります
本来、口の中での正しい舌の位置は、舌の先が上の前歯の裏に付いている状態です。
それに対して「口呼吸」をしている人は、舌の先が下の前歯の裏に付いていたり、舌が下の歯の上に乗ってしまっています。
ふだん私たちの口の中は、上の前歯の裏に当たった舌が、内側から歯を押しだそうとします。
それを、口を閉じることによって外側へ歯が出過ぎないように、口のまわりの筋肉がサポートをしています。
舌と口のまわりの筋肉との、バランスの取れた力関係が、歯並びを支えているのです。
「口呼吸」では、口が開いた状態が長く続くわけですから、このバランスが崩れて歯並びが悪くなるのです。
★睡眠時無呼吸症候群の原因になります
「口呼吸」をしている人は、イビキをかきやすくなります。口を開けていることにより、舌の位置が喉の奥に下がってしまうため、気道が圧迫されてイビキをかくのです。
また、イビキをかいている間に呼吸が何度も止まる「睡眠時無呼吸症候群」の症状が出ているケースも多くみられます。
この病気は呼吸が止まるわけですから、症状が出ているのにもかかわらず放置しておくと、たいへん危険です。
★頭がぼーっとします
「鼻呼吸」は空気が鼻を通ることにより、適度に冷やされた空気が脳に届くため、脳を直接的に冷やすことができます。「鼻呼吸」をすると気持ちが落ち着き、頭がスッキリと冴えてくるのです。
それに対して「口呼吸」は、脳に温かい空気が届くので、脳が温まり、頭がぼーっとしてしまいます。

3.治したい!口呼吸
口呼吸を治すためには、口のまわりの筋肉と舌の筋肉を鍛えることが有効です。
具体的な方法として、いしはた歯科クリニックでは「あいうべ体操」をおすすめしています。
「あいうべ体操」とは、福岡県福岡市の「みらいクリニック」院長である今井一彰先生が提唱されているもので、口のまわりや舌を動かすことによってその筋肉を鍛え、「口呼吸」の改善を目的としたものです。
体操といっても体を動かしたり、着替えをする必要はなく、いつでも、どこでも、誰でもできる、簡単なものです。

4.「あいうべ体操」をしてみよう
次の4つの動作を順にくり返します。声は出しても出さなくてもかまいません。
「あー」と口を大きく丸く開きます。
口を縦型の楕円形に開くようなイメージで、
喉の奥が見えるように大きく開けましょう。

「いー」と口を横に引き伸ばします。
前歯を見せ、頬の筋肉を耳に寄せるように
横にグーッと開きます。
(歯は噛みしめないで)

「うー」とくちびるを前に突き出します。
くちびるを思いっきりとがらせて、
前の方へしっかり突き出します。

べー」と舌を突き出して下に伸ばします。
舌を根元からベーッと突き出して、
さらにアゴに付けるように下の方へ伸ばします。

「あいうべ」体操は、「あー」「いー」「うー」「べー」を1セットとして、1日30セットを目安に行います。
慣れるまでは一度にしないで、1日2~3回にわけて、少しずつ行ったほうがよいでしょう。

5.注意していただきたいこと
◆「あいうべ体操」は口をしっかり大きく動かすので、思ったよりも口のまわりの筋肉が疲れます。くれぐれも無理はしないようにしてください。
1日30セットをするのが難しいかたは、回数を減らしてみましょう。回数が少なくても効果はあります。数をこなすことよりも、毎日 続けることのほうが大切です。
◆顎を開けると痛みが出るときや、顎関節症の人は、回数を減らすか、「いー」「うー」のみを繰り返してください。この「いーうー体操」は顎の関節に負担がかからないため、何度行ってもかまいません。
◆お子さんの場合、飽きたり嫌になったりすることがあります。お子さんが嫌がる時は無理にすすめないでください。
おうちのかたも一緒に行うなど、リラックスして、楽しみながらできるといいですね。
口呼吸は風邪の原因になるだけでなく、いろいろな弊害があるので是非やめましょう。それと共に舌の位置も上の前歯の裏側ときちんと
頭に入れましょうね(^-^)

親知らずの抜歯のこと、インプラントを検討されている方、顎の違和感やかみ合わせ、入れ歯でお悩みの方、
歯や顎、お口の違和感や心配事がお悩みのある方はご相談のみでも構いません。
また6か月以上歯科健診を受けていない方がいらっしゃいましたら
定期健診で現状のお口の中の状況を把握するべきです。
その時は是非お気軽にいしはた歯科クリニックまでお越し下さい。

久喜市 歯医者 いしはた歯科クリニック 電話 0480-24-6480 Dr かずき
2018年10月22日

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