部分入れ歯の設計について

こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
今日の久喜は午前中から気温が上がって暑いです。

今回は当院が入れ歯を専門に扱う医院として部分入れ歯を製作する際に私が考えていることを書きます。
過去に東京医科歯科大学歯学部病院での5年追跡調査で60パーセントの義歯が5年で使用されなくなると
いうことが明らかになりました。義歯が使用できなくなる理由について調査した結果
部分入れ歯を使用不能にさせる因子としては
①義歯の不適合
②義歯の破折
③虫歯や歯周病による支台歯の喪失
の3大原因のようです。この因子をクリアするために部分入れ歯を製作する際には3つの要件が必要となります。
部分入れ歯には支持、把持、維持という3つの要件が必ず必要です。それぞれについて説明致します。
支持は入れ歯の沈下を防ぐものです。入れ歯のばねを引っかける歯に少しだけ歯を削り、その部分に金属をちょこっと乗せて
沈下を防ぎます。金属には剛性があるのでこの支持の部分には金属以外は使えません。支持の機能が
ない入れ歯を使用していると入れ歯は沈み放題となり、入れ歯のピンク色の部分が歯茎を常に加圧することになるので
歯茎もどんどん後退していきます。すると入れ歯により痛みが出やすくなりますし、入れ歯の適合も悪くなります。
ですから適切支持がついていない入れ歯は全く駄目です。逆に支持があることで物をしっかり噛めるのです。
次に把持について説明します。把持とは横揺れを防ぐものです。入れ歯が横揺れすれば当然安定が悪く動くのですから
きちんと噛めるわけがありません。入れ歯の動きを止めるためには把持が最も大きな役割を演じているのです。
つまり設計をする際にはいかに効率よく“把持”を配置するかが重要なポイントとなる。
把持というのは相対する関係があって初めて成立し、「内側性把持」と「外側性把持」に分類することができます。
説明すると難しいので割愛しますが、これらの組み合わせのうちのひとつが欠けると把持の役割にはなりません。
把持を得るためには支台歯に対して適切な前処置を行うことが必要となります。入れ歯の着脱方向を規制するガイドプレーンという
部分を削るのですが、このガイドプレーンは複数形成されること入れ歯の動きを最小限に抑える大きな役割を演じることになります。
最後に維持について説明します。維持は離脱を防ぐものです。そして患者さんが最も入れ歯を敬遠する理由となる金属のばね、針金の
部分です。先に説明した支持や把持よりも重要度は落ちます。金属の針金は必要に応じてばねのきつさを調整が出来ます。
入れ歯が緩かったり、落ちてくるということであればばねをしめれば良いですし、きつすぎて入れ歯が外せないとか針金をかけている
歯が歯周病で弱ればばねを緩めるという対応が出来ます。審美的によろしくないので嫌がる患者さんもいらっしゃいますが
保険外にすることでこれは解決できるのでもし不満があればご相談ください。
上記に部分入れ歯に大切な3つの要件を説明しました。何か不明点があればご質問ください(^O^)

インプラントを検討されている方、顎の違和感やかみ合わせ、入れ歯でお悩みの方、
歯や顎、お口の違和感や心配事がお悩みのある方はご相談のみでも構いません。
また6か月以上歯科健診を受けていない方がいらっしゃいましたら
定期健診で現状のお口の中の状況を把握するべきです。
その時は是非お気軽にいしはた歯科までお越し下さい。

久喜 歯医者 いしはた歯科クリニック 電話 0480-24-6480 Dr かずき

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